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2021/08/29 17:00

これから個人でTNR活動、子猫保護をしたいと考えている方へ少しでもお役に立てればと思い、私の体験を記録します。

場所:滋賀県長浜市

時期:2020年11〜12月


<きっかけ>

子猫を見つけたあの日のことは鮮明に覚えています。犬の散歩に近所を歩いていると猫の集団を見かけ、よく見るとみんな子猫たち。どうしよう...と思いながらも一旦家に帰りましたが、あの子達このままだとどうなるのだろうかと考えると居ても立っても居られず、まずは野良猫なのか飼い猫なのかを確認しに猫たちが居たお家に話を聞きに行きました。そして、飼い猫ではなく野良猫だということが分かり、悩んだ末アクションをしようと決めました。成猫はTNR (捕獲→不妊手術→元の場所に戻す)を行い、子猫は保護し里親を探す活動です。


<TNR活動や子猫保護のステップ>

ステップとしては大きく3つ

①情報収集

②前準備

③実際にTNR活動・子猫保護のアクション

 

活動をすると決めた時からTNRや子猫保護に関するありとあらゆる情報を収集しましたが、ほとんどが③実際の捕獲作業の部分の情報が多く、そこに行くまでに今まず何から手をつけて良いかが分からずに色々と悩み相談をしました。ここでは、①と②の部分にフォーカスをし書いていきます。


<①情報収集>

・近隣へのヒアリング →猫の頭数、活動範囲、餌やりの有無

まずは重要な第一ステップ。野良猫ではなく実は飼い猫だったというケースもあるため、野良猫の情報をしっかりと集め、対象となる猫を把握しなければいけません。また近隣にヒアリングをする際その方たちの野良猫に対する考えを聞くことも大切です。

・県や市で地域猫活動のサポートや補助があるか確認 →滋賀県の場合は動物管理センターという施設があります。市役所の環境課であったり、保健所や滋賀県のように野生動物を管理するセンターがあったり、都道府県によって異なります。またサポート内容も大きく差があるかと思います。

・どうぶつ基金や県・市内の保護猫活動団体に相談 

どうぶつ基金は殺処分ゼロ実現のため精力的に不妊手術活動に取り組んでいます。事前に申請をすることで提携動物病院にて無償で不妊手術を行ってもらえます。申請は毎月申請期間が決まっており、また申請してすぐに手術が受けられるわけではないので、どうぶつ基金のホームページにて詳細を確認して下さい。

・地域の動物病院にコンタクト →野良猫の不妊手術の受け入れについて・費用の確認

地方ですと野良猫を受け入れたことがないという病院やTNRという言葉すら知らなかったりもします…。病院によって費用も大きく変わるので、事前に確認すべきです。


〜私のケースでは〜

まず近隣へのヒアリングで、この地域には成猫が5匹、そして野良猫が産んだ子猫が6匹いて、近所で餌やりをしている方がいました。また皆飼い猫ではなく野良猫であることを確認しました。今回子猫と成猫がいるため、2つの活動を同時に行うことになります。

◎子猫:生後約3ヶ月前後でしたので、人馴れできる可能性が高いため、一旦保護し一生飼い猫として可愛がってもらえるお家を探します。

子猫は保護→家でお世話をしながら人馴れトレーニングを行う→里親募集


◎成猫:野良生活が長い猫は人に馴れない子がほとんどです。野良猫でも中にはフレンドリーな子もいますが、長く外で生活してきた野良猫を飼い猫にするのは非常に大変なことで、人間側だけではなく、野良猫にとっても多大なストレスであることは間違いありません。そのため、成猫はTNRを実施しました。

TNR活動とは・・Trap(捕獲し)、Neuter(不妊手術を行い)、Return(元の場所に戻す)ことです


正直TNR活動を個人で行っていくことは本当に大変です。すでに何十匹もいる状態であれば到底個人では難しいですが、10匹前後であれば何とか個人でもガッツで乗り越えられます。その時点で是非行動をして欲しいです。何十匹にも増えてしまった状態では、住環境が悪化しすでに地域問題となっていることが多く、地域や愛護団体と一緒に進めていかないといけませんが、それは更に大変なことであります。

私はただただ野良猫たちがこれ以上増えて欲しくないと切に願い、勢いで突っ走りましたが、今思うと勢いで行動をしなければ乗り越えられなかったようにも思います。初めは地域の方々が協力してくれるだろうと淡い期待をしていましたが、感覚的には8割が無関心でした。近所で手助けをしてくれる方がいればラッキーだと思う程度にし、期待はしない方が良いです。私は周囲と話をしていく中で悲しく思いながらも、やはり自分一人でやっていかないといけないと早い段階で覚悟が定まりました。

また、動物愛護団体がどうにかしてくれるだろうと思い込んでいる方が多いのですが、どうにもしてくれません。そういったレスキュー団体は日々多くの犬・猫を抱え、また無責任な人間たちと向き合い、私たちの想像を絶するほど大変な状況です。地域の問題は何とか自分たちで解決をしていかないといけません。私は活動を始める前に幾つかの保護猫活動団体にお電話し進め方についてアドバイスを頂きました。行政や動物病院では具体的な情報は得ることが出来ませんので、第一線で活動をされている方々のアドバイスを頂くことをお勧めします。


<②前準備>

前準備は捕獲器の確保、補助金申請、町内への周知についてです。


・捕獲器の確保(準備)

私の場合は餌やりをしているお家が2軒あり、Aさん宅は成猫が多く集まり、Bさん宅は主に子猫と母猫が住処にしていました。子猫は比較的警戒心が低いというのと捕獲器は子猫には少し危ないというのもあり、子猫の捕獲と成猫の捕獲は異なる方法で行いました。

◎成猫:通常の捕獲器を使用


捕獲器は動物病院や行政機関が貸し出しをしています。私は4軒の動物病院に連絡をしましたが、全て貸し出し中で驚きました。TNR活動での使用ではなく、野生小動物の捕獲を目的とした人の借用が多いようです。私は滋賀県の動物管理センターから1台お借りしました(1台しか借りられませんでした)。


◎子猫:一段式のゲージを使用 



・補助金申請

補助金の有無や内容は都道府県によって大きく変わります。

滋賀県では地域猫のTNR活動への補助制度があり、最大5万円の補助金を申請することが出来ます。そして5万円を超えた場合には、滋賀県動物管理センターで無償で不妊手術をしてもらうことが出来ます。野良猫の不妊手術には多額の費用が掛かるため、非常に有難い制度です。

そのためまずは補助金の申請書類を色々と用意する必要がありました。地域猫の頭数や生息地域をきちんと把握しておく必要があり、申請書類には町内会長さんの押印と署名も必要です。町内会長さんへ説明するため、地域猫の相関図やTNRの活動について色々とまとめました。(ほとんどの方はTNRという言葉を知りませんし、内容を説明してもピンと来ないようですので、簡単な説明資料を用意した方が良いです)


地域猫の相関図を下記のように作りました。



・県や市で補助金がない場合

情報収集の部分で記載したどうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術」を利用するのが良いかと思います。

または地域の問題として提起し、町内会より援助してもらうことも可能かも知れません。


・町内への周知

TNR活動を行う前には地域への周知が必要です。回覧板で周知するのが一般的かと思います。これは予期せぬトラブルを防ぐためと協力をお願いするためです。地域猫だと思っていたが、実は放し飼いの飼い猫だったということであったり、間違って飼い猫を捕獲してしまったりということが実際にあるため、対象の猫が飼い猫でないことを確認し、TNR活動中は飼い猫を外に出さないよう周知しないといけません。また回覧を回すことで地域の関心を得ることが出来、協力をしてくれる方がいらっしゃるかも知れません。

チラシの書き方は「TNR活動 チラシ/ポスター」などとネットで検索すると色々と出てきますので、ご参考下さい。


私の場合は・・

回覧板にTNR活動の周知、子猫の里親募集と寄付のお願いについて記載しました。回覧板が回り始めてから数人から電話がありましたが、その中には、うちに来ている野良猫を捕獲して欲しいとか早く駆除して欲しいとかそういった内容もありました。町内の回覧板なので私は住所を記載してしまったのですが、町内であってもやはり住所は記載しない方が良いです。


ここまで準備が出来たら、捕獲作業開始です。


<③活動実施>

捕獲作業は餌やりの方々に協力して頂くのがベストです。私の場合は成猫と子猫はそれぞれ別の方が餌やりをしていたので、2箇所で捕獲を実施しました。

◎成猫:捕獲作業は至ってシンプルで、いつもの餌やり場に餌を入れた捕獲器を設置してもらいます。動物病院の営業日や時間を事前に確認し設置するタイミングを決めた方が良いです。私が事前に確認をした数軒の動物病院では、野良猫の場合は捕獲タイミングが分からないため、営業時間外(最後の患者が終わってからすぐ)に手術をしますとのことでした。病院によっては時間外費用などをとる所もありますので、確認した方が良いです。(良心的な病院はTNR活動ということでは時間外費用は取らないと思います) 私の場合は、夜に捕獲器を設置してもらう→翌朝餌やりの方が捕獲器を確認、連絡が入る→(捕獲出来た場合は)動物病院へ連絡しその日の夕方に手術予約→夕方手術へ(1〜2時間で終了)→寒い日が多かったので、その日は我が家の玄関に置いて、翌朝元の場所に戻す の流れでした。滋賀県の場合、動物管理センターで無償で不妊手術をしてもらうことも出来ますので、センターで手術してもらう場合は、センターの指示に従い捕獲器を設置する日時を決める必要があります。

この方法で1匹ずつスムーズに捕獲することが出来ました。

 

◎子猫:子猫たちは成猫ほど警戒心は強くなく、餌をあげると恐る恐る警戒しながらも近づき、餌を食べているような様子でした。そのため、いつも子猫たちに餌やりをしている場所に一段式のゲージを置いて(上記写真)、ゲージの中に餌を置き、子猫たちが食事中に一度に捕獲をしようという作戦を試みました。このやり方が出来た一番の鍵は、ゲージの場所が餌やりさんの居間の窓を開けたすぐのところだったという点です。というのも、子猫がゲージに入った時に素早く扉を閉めないといけないので、そのセッティングが肝でした。今思えばこのやり方は餌やりさんの協力と、環境があって出来たことなので、お役に立つ情報かは分かりませんが、ご参考までに記録しておきます。。


まずはゲージに慣れてもらうため、何日かゲージの中に餌を置き、この中だけで餌を与えるようにしゲージへの警戒心をなくすようにしました。そして子猫がゲージに入った時にすぐに扉を閉められるようなセッティングが肝でしたが、餌やりさんはとても機転がきく方で、ゲージのすぐ横にある居間の窓を数センチ開けて、その隙間から子猫たちを驚かさないように杖で押して扉を閉められるように工夫してくれました。(人がゲージに近づくとすぐに逃げるので、杖などで遠くからサッと扉を閉める工夫が必要でした)

数日間ゲージの中で餌をあげて慣れた頃に、タイミングを見て捕獲を開始しました!餌は扉から一番遠い奥に入れて、子猫たちがゲージの中で夢中でご飯を食べているタイミングを狙い、餌やりさんにゲージの扉を閉めてもらいました。うまく杖で扉を閉めることが出来るのか、扉を閉めるところを見てしまったら、ゲージにいなかった子猫たちはもうゲージに入らないのではということが懸念でした。

結果は・・・




   〜少しづつアップデートしていきます〜